失恋をバネにした人たちの話 4 哲学者 フリードリヒ・ニーチェ
失恋をバネにした人たちの話 4 哲学者フリードリヒ・ニーチェ
ドイツが誇る偉大な哲学者として、世界中で愛されている哲学者ニーチェ。
彼が38歳のとき、ルー・ザロメという美しい女性に恋をします。
彼女は当時21歳。鋭い感受性と優れた知性を持った女性で、
ニーチェを『知の師匠』として尊敬していました。
ニーチェは彼女にゾッコンで、2度のプロポーズをするのですが断られてしまいます。
結局ニーチェの恋は失恋に終わってしまうのでした。
ニーチェはルーと過ごした時間の中で、生涯忘れられない出来事があったそうです。
それは彼女とのイタリア旅行中、二人で長い散歩をしたこと。
のちに、ニーチェはルー・ザロメへの手紙の中で、「私の生涯で最も恍惚した夢を持った時間だった」と書いています。
ルー・ザロメとの出会いによって生涯で最も大きな悦楽と最も大きな絶望を味わったニーチェ。
失恋のショックで落ち込みに落ち込んだニーチェでしたが、
この大失恋の後、ニーチェは自身の最高傑作、
彼の思想の集大成と言われる『ツァラトゥストラ』を怒涛の勢いで書き上げます。
失恋の痛みを、作品を世に送り出すことで乗り越えたニーチェ。
失恋をバネにして、彼はドイツが誇る偉大な哲学者として、後世の人々の思想にも大きな影響を与える人物になったのでした。